電気・機械技術の向上が著しかった昭和時代中期~後期に開発され うどん・そば、ハンバーガー、トーストサンドを温かい状態で提供した 調理機能付き自動販売機。 オートパーラー、オートスナックとも呼ばれたこれらの機械も 24時間営業の飲食店やコンビニの台頭により、今となっては希少な存在となりましたが 北関東には、まだいくつか残っているようで 今回はその中で、埼玉県にある2つの店舗へ行ってまいりました。 1店舗目、オートパーラー上尾店へ。 おそらく都心から最も近いオートレストランで JR北上尾駅から1km弱程の道のりなので、電車と徒歩でも十分行くことができます。 ちなみに店内にはゲームコーナーがあり 麻雀格闘倶楽部とMJは設置されていましたが、QMAはありませんでした(´・ω・`) 中身はハムチーズとコンビーフの2種類があり、それぞれ1食200円。 年季の入った赤い自動販売機が壁の中に埋め込まれており なぜか取出口の「引く」の文字が裏向きです。 取出口に、素手で触りづらい程熱々のトーストが アルミホイルに包まれて出てきます。 表面はコンガリ、中はコンビーフと辛子がよく在っていて美味でした。 調理時間はそんなに長くなかったのに、ここまでこんがりと焼けるものなんですねぇ。 こちらもトーストサンドと同じく、それぞれ1食200円。 業務用機械っぽい出で立ちの所為か、トーストサンドの自販機ほど古い感じはありません が… そこには、今では貴重なニキシー管が使用されています。 蕎麦屋でいただくそばは勿論おいしいんですが、 これはこれで独特の良さがありますね。出汁を存分に吸った天ぷらとか。 なお、出汁と天ぷら以外の具(ねぎとなるとが入っていた)は容器の底に沈んでいるので 食べる前にかき混ぜたほうが良いです。 母校のクラブセンターにも置いてあり、学生時代にはよくお世話になりましたねぇ。 そしてこちらのお店では、瓶入りのコカコーラとHi-Cが各1本100円で売られています。 自販機フードのお供に是非。 オートパーラー上尾店を出て、次なる目的地へ。 国道17号線をさらに北上して熊谷方面に向かい 行田市の国道17号バイパス沿いにあるオートレストラン、鉄剣タローに到着。 この日の予想最高気温は37℃と、予め猛暑になることは想定済みだったのですが 車の温度計はそれを更に上回り、人間の体温だったら実際死ぬ42℃に… こんなのってないぞ……ネオサイタマいい加減にしろよ…… ひらふみ先生の漫画『でり研』を読んで思い立ったから、だったりします。 同作のコミックス3巻に、オートフードを取り上げた回が収録され 埼玉もしくはその周辺まで行けば、まだ食品自販機が残っているのではないかと思い 一度、稼動している様子を見ておきたく、今回足を運ぶに至った次第。 作中ではどこの店かという紹介はありませんでしたが 自動販売機の描写や、何より行田という立地からこのお店で間違いないでしょう。 (この『でり研』という作品は、主人公の「大仏くん」が行田出身という設定で ゼリーフライや揚げないフライなど、行田に関するネタが度々登場する) (どうでもいいけど、大仏くんの本名の田中健一って、 実在するクイズ王(第16回アメリカ横断ウルトラクイズのチャンピオン)と同姓同名なんですね。 となると、大仏くんもやっぱり「高いお肉はダメなんだ!」なのでしょうかw) 会議室の机のような木目調の筐体から、昭和っぽさが感じられます。 パネルの絵を見るに、 昔はこの自販機でおにぎりや焼きそばも売られていたのでしょうか… 「高価格」「低価格」とかかれた2ヶ所の白熱球。 今回利用した全ての自販機に言える事ですが、 支払いには紙幣はおろか、500円玉さえ使用できません。 一時期、変造硬貨対策で500円玉が使用できなかったことはあったものの この年代の自販機だと「製造時には500円玉が存在しなかった」から使えないのでしょう。 さすが昭和遺産… 白熱球による「加熱中」表示と、ニキシー管による残り時間表示の両方が表示され さらに商品が出来上がったときには、チャイムが鳴ってお知らせしてくれます。 外箱は割と小ぢんまりしていますが ハンバーガーの大きさに対して中のハンバーグがとても厚く 十分な位食べごたえがあります。 …ですが、こちらのお店ではうどんしか売っていません。 自販機で売られているにも関わらず、手作り感満載です。 たまねぎと空豆とコーンの天ぷらに出汁をよく染み込ませて うどんと一緒に食すと、とても懐かしい気持ちになります。 大分年季が入っていますが、平成が四半世紀経った今でも、僚機共々健在です。 アルミホイルを開いた時に出る香ばしい香りがたまらないですねぇ。 割と満腹だったんですが、あっさりと平らげて今回の食べ歩きは終了。 どの料理も美味しゅうございました。 途中、JR北上尾駅近くの上尾ミナミボウルに寄り QMAのグル生部のサークル対戦に参加しつつ まったりと帰路についたのでした。 今回は、自宅がある神奈川県からでも比較的行きやすい埼玉県の2店舗を訪れましたが 群馬や新潟、島根などには「オートレストランの聖地」と呼ばれる場所があるようで いつかはそれらも訪れてみたいですねぇ。 なにぶん、昭和時代に作られたものですし、その数は段々減少しているようですが 願わくばこの先も長きに渡り活躍してもらいたいものです。
by alnakoki
| 2013-07-07 22:08
| どこかへ
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by alnakoki (a.k.a. 有那)
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